Excelの重複削除は、判定に使う列を選ぶことが大切です。同じ名前でも、別の記録まで消してよいとは限りません。秋の読書リストを例に、まず候補を色で確認し、残したい行を見極めてから削除する手順を紹介します。練習用の5行で、結果も答え合わせできます。
この記事で分かること
- 同じ書名の候補を、削除せずに強調表示する方法
- 重複を判定する列と、削除の対象範囲の違い
- 5行から1行だけ削除し、必要な4行を残す確認手順
同じ名前があるだけで、削除してよいとは限らない
表をコピーしてまとめると、同じ内容を二度貼り付けてしまうことがあります。一方、同じ書名でも文庫版と単行本を別々に記録したい場合は、両方必要です。最初に「何が同じなら重複か」を決めておくと、消す行を選びやすくなります。
今回扱うのは、Windowsのデスクトップ版Excelの「条件付き書式」と「重複の削除」です。Microsoft 365のExcelやExcel 2024など、利用できるExcel環境を用意してください。標準機能を使うため、CopilotやVBA、AI APIへの入力は不要です。Excel自体の利用権は別に必要になります。
同じ値を色付けする操作は、候補を見つけるためのものです。色が付いたセルを全部消す、という意味ではありません。条件付き書式の公式説明では、セルの値に応じて書式を変える仕組みが紹介されています。表示を手掛かりに、どの記録が必要かを人が判断します。
最初にコピーを残し、練習用の5行を用意する
「重複の削除」は、表示を隠すだけでなくデータを取り除く操作です。元の表を別のシートやブックにコピーしてから進めましょう。Microsoftのデータ整理の公式ガイドでも、バックアップと、行・列の整った表で作業することが勧められています。
練習では、新しい空白ブックに次の表を入力します。見出しはA1:C1、データはA2:C6です。書名は説明用の架空例で、購入履歴や個人情報ではありません。「読了時期」は日付の自動変換を避けるため、「秋前半」「秋後半」という文字で入力します。
| 書名 | 版 | 読了時期 |
|---|---|---|
| 森の便り | 文庫版 | 秋前半 |
| 空色の散歩 | 単行本 | 秋前半 |
| 森の便り | 文庫版 | 秋前半 |
| 森の便り | 単行本 | 秋前半 |
| 窓辺の記録 | 文庫版 | 秋後半 |
この表では、データの1行目と3行目が三つの列すべてで一致しています。今回は、この二つのうち一つだけを取り除くのが目標です。4行目の「森の便り・単行本」は版が違うので残します。
入力した表を「元データ」シートに残し、その表全体をコピーして「確認用」シートのA1へ貼り付けます。以下は確認用の表で行います。結合セルや合計行のない、この小さな表から始めてください。
まず書名だけを色付けして、候補を探す
最初は削除せず、同じ書名がどこにあるか見てみます。操作はMicrosoft公式の「重複を検索して削除する」に基づきます。画面の表記はExcelのバージョンにより多少異なる場合があります。
- A2:A6を選択:見出しを除く書名の5セルだけを選びます。
- 重複する値を指定:「ホーム」→「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「重複する値」を開きます。
- 色を選んで確定:重複する値に付ける書式を選び、「OK」を押します。
想定する結果は、A2・A4・A5の「森の便り」が強調表示されることです。書名は同じでも、A5の隣のB5は「単行本」。この行を残したいことが、隣の列を読むと分かります。
ここで確認しているのは「書名のセルが同じか」で、三列を組み合わせた行全体の一致ではありません。先に一列の候補を見つけ、版と読了時期も横に読んで判断します。この練習では三つのセルが色付きになっても、削除するのは1行だけです。
色付きの数と削除する行数は違います
同じ書名の最初のセルにも色が付きます。また、別版として残したい行も候補になります。色は確認の入口にして、必要な記録までまとめて消さないようにしましょう。

掲載画像は、候補への印付けと記録の違いの比較を表すAI生成イラストです。実際のExcel画面や、削除操作を実施した証拠ではありません。
三つの列を判定に使い、1行だけ削除する
次は表全体を選択します。強調表示ではA列だけを選びましたが、削除するときの対象はA1:C6の三列全体です。列の選び方と削除の仕組みは、重複する値の削除に関する公式説明で確認できます。
- A1:C6を選ぶ:書名・版・読了時期を、見出しも含めて選択します。
- 「重複の削除」を開く:「データ」タブの「データツール」にある「重複の削除」を選びます。
- 見出しと列を確認:先頭行を見出しとして扱う設定を確認し、列の一覧が「書名」「版」「読了時期」になっているか見ます。三つともチェックします。
- 実行して件数を見る:「OK」を押し、削除された件数と残った件数を確認します。
この入力例どおりなら、期待する結果は重複1件を削除し、4件が残ることです。見出しを除いたデータ行数で数えます。これは公式の判定方法から導いた練習の答えで、Excel実機での測定結果ではありません。
- 「森の便り・文庫版・秋前半」が1行残る。
- 「森の便り・単行本・秋前半」も残る。
- 「空色の散歩」と「窓辺の記録」は消えない。
削除後も書名の「森の便り」が二つ残るので、A列の重複を示す色が残る場合があります。別版を残した今回の目的では正常です。色をなくすためだけに、もう一度書名で削除しないでください。
チェックする列を変えると、何が変わる?
削除画面のチェックは、「その列だけを消す」という指定ではありません。同じ行かどうかを判定する材料を選びます。選んだ列で重複と判定された行は、対象の表のほかの列も含めて取り除かれます。
| 判定に使う列 | 今回の残る件数 | 意味 |
|---|---|---|
| 書名だけ | 3件 | 同じ書名の別版もまとめる |
| 書名・版 | 4件 | 別版は区別する |
| 書名・版・読了時期 | 4件 | 今回の三項目すべてで照合 |
この表は元の5行にそれぞれの条件を適用した想定結果です。削除後の表へ順番に操作した結果ではありません。今回の目的には三列すべてを選ぶ方法が合いますが、別の読了時期の記録も残したい表では「書名・版」だけでは足りません。
Excelは、指定された基準で同じと判定した記録のうち、リストで最初に現れるものを残します。内容が新しい行や詳しい行を自動で選ぶ機能ではありません。どちらを残すかに意味がある場合は、一括削除する前に内容を見比べてください。
想定と違うときは、消し直す前に確認する
件数が合わないときは、保存を急がず、どの条件で差が出たかを見ます。削除直後ならCtrl+Zで戻し、元データと確認用を比べてからやり直しましょう。
別版まで消えてしまった
書名だけにチェックしていた可能性があります。元に戻した後、A1:C6を選び直し、三列のチェックを確認します。再実行したら件数だけでなく、単行本と文庫版が両方残ったことまで確かめてください。
同じように見えるのに、重複が見つからない
判定に使う列に違いがないか、一行ずつ比較します。文字の前後の余分な空白や表記の違いも確認対象です。違いを見つけたら、意味のある文字まで一括で消さず、元の記録と照合してから直します。整理の基本や空白文字の扱いは、前掲のMicrosoftのデータ整理ガイドが参考になります。
後から消しすぎたことに気付いた
まず残しておいた元データを確認します。OneDriveに保存していた場合の以前の版の確認については、OneDriveのバージョン履歴の記事で説明しています。利用状況によって復元できる範囲は異なるため、履歴があることだけを頼りにせず、削除前のコピーを残す方法を基本にしましょう。
まずは「4行が残るか」を試す
重複整理で大切なのは、行数を減らすことより、残す記録の基準を決めることです。今回の5行をコピーして試し、1行だけ減って、二つの版が残ることを確認してください。
今後の入力の表記もそろえたい場合は、Excelの入力規則の記事が役立ちます。入力済みの表を整理した後に、版などを決まった候補から選ぶ形にすると、次の見直しもしやすくなります。



コメント