「修正版を受け取ったけれど、どこが変わったの?」
Wordの資料をやり取りしていると、こんな場面があります。
元ファイル。
修正版。
最終版。
確認済み版。
名前は違っていても、見た目はほとんど同じ。
そこで1ページ目から読み比べていると、小さな変更を見落としてしまうことがあります。
そんな時に使えるのが、Word 文書比較です。
Wordには、2つの文書を比較し、変更された箇所を新しい第3の文書へ表示する機能があります。
Microsoft公式では、比較元の2つの文書自体は変更せず、既定では比較結果を新しい文書として表示できると案内されています。
今回は、
- 元ファイルと修正版の違いを見つける方法
- 「比較」と「変更履歴」の違い
- 「比較」と「結合」の違い
- 文字だけでなく書式変更も確認する方法
- 比較前に注意したいポイント
- 比較結果をどう確認すればよいか
を初心者向けに整理します。
この記事では、Windows版のデスクトップWordを中心に説明します。利用しているWordのバージョンによって、画面やメニュー表示が少し異なる場合があります。
Word 文書比較が役立つ場面
例えば、完全な架空例として、
「サンプル企画書_元.docx」
と、
「サンプル企画書_修正版.docx」
の2つがあるとします。
修正版では、
文章が1行追加された。
金額表現が変更された。
一部が削除された。
見出しの書式が変わった。
しかし、どこが変更されたのか説明がありません。
こうした時、2つの文書を画面に並べて目視することもできます。
ただし、ページ数が多いほど確認は大変です。
そこでWord 文書比較を使います。
変更点をまとめて確認できるため、
「同じところを何度も読み直す」
作業を減らしやすくなります。
「比較」「変更履歴」「結合」は別の機能
Wordには似た機能があるため、最初に整理しておきましょう。
比較|完成した2つの文書の差を見る
今回の主役です。
元の文書と変更後の文書を指定し、
あとから2つの違いを確認する
時に使います。
Microsoftの「法的黒線」比較では、2つの文書を比較し、変更箇所を第3の新しい文書へ表示できます。
名前に「法的」とありますが、機能としては2つの文書の差分確認に使われます。
変更履歴|これから行う修正を記録する
こちらは、
今から編集する内容を残したい
時に使います。
「校閲」タブから変更履歴を有効にすると、追加や削除などを記録できます。
Wordでは、削除された箇所は取り消し線、追加された箇所は下線などで表示できます。
結合|複数人から戻ってきた修正版をまとめる
レビューを依頼したあと、
担当者Aの修正版。
Bの修正版。
Cの修正版。
のように複数の文書が戻ってきた場合があります。
このような時は「比較」だけではなく、結合が向いています。
Microsoft公式では、複数の校閲結果や修正案を1つの文書へまとめる方法として「結合」を案内しています。
つまり、
2ファイルの違いを見る → 比較
これからの変更を記録 → 変更履歴
複数の修正版をまとめる → 結合
と覚えると分かりやすいですね。
Word 文書比較の基本手順
それでは実際の流れを見てみましょう。
1|比較する2つのWord文書を用意する
まず、
元の文書。
変更後の文書。
を用意します。
「どちらが元なのか」
を先に確認しておくことが大切です。
ファイル名が似ている場合は、更新日時だけで判断せず、内容も確認してください。
2|Wordの「校閲」タブを開く
比較する文書をWordで開きます。
そして、
校閲 → 比較
を選択します。
Microsoft公式では、比較メニューから「ドキュメントの2つのバージョンを比較する」を選ぶ手順が案内されています。
3|元の文書と変更された文書を指定する
「元のドキュメント」へ元ファイル。
「変更されたドキュメント」へ修正版。
を指定します。
ここを逆にすると、
追加。
削除。
変更。
の見え方も逆になります。
そのため、比較前にファイルの役割を確認しましょう。
4|比較する項目を選ぶ
Wordでは、単純な文章変更だけではなく、
コメント。
書式。
テキスト変更。
など、比較対象を選択できます。
さらに、変更を
文字単位。
単語単位。
のどちらで表示するか選ぶこともできます。
5|比較結果は「新しい文書」にする
既定では、比較結果を新しい第3の文書に表示します。
元の文書。
変更された文書。
比較結果。
という3つに分かれるイメージです。
Microsoft公式でも、既定では比較結果が新しい文書へ表示され、比較対象の元文書は変更されないと案内されています。
元ファイルを残したい場合は、この方法が分かりやすいでしょう。
6|変更箇所を1つずつ確認する
比較結果では、
追加。
削除。
書式変更。
などが変更履歴として表示されます。
ここで大切なのは、
変更されている=正しい変更
ではないということです。
Wordが教えてくれるのは、
「何が違うか」
です。
どちらが正しいのか。
その変更を採用するのか。
元へ戻すのか。
最終判断は人が行います。
2つを画面に並べるだけなら「並べて表示」
「自動で差分を抽出するほどではない」
という場合には、2つの文書を並べて見る方法もあります。
Wordでは、
表示 → 並べて表示
を使い、2つの文書を左右に表示できます。
さらに「同時にスクロール」を使えば、両方を一緒にスクロールできます。
例えば、
レイアウト全体を見比べたい。
ページ構成を見る。
画像の位置を見る。
といった用途では、並べて表示のほうが確認しやすい場合があります。
一方で、
文章の細かな追加・削除を見つけたいなら、Word 文書比較が便利です。

Word 文書比較で失敗しやすいポイント
便利な機能ですが、比較する前にいくつか確認しておきたいことがあります。
元ファイルと修正版を逆にしない
元と修正版を逆にすると、
削除された内容が「追加」に見えるなど、確認しにくくなります。
そのため、
Original。
Revised。
の役割を先に決めましょう。
すでに変更履歴が入っている文書は注意する
比較対象の文書にすでに変更履歴が含まれている場合、Wordはメッセージを表示することがあります。
Microsoft公式では、この場合、変更を受け入れて比較する操作が案内されています。
既存の変更履歴自体が重要な場合は、いきなり処理せず、元文書のコピーを残してから作業したほうが安全です。
「違う場所」だけを見て終わらない
差分が表示されたら、
なぜ変わったのか。
数字は正しいのか。
削除してよいのか。
意味が変わっていないか。
まで確認します。
特に、
金額。
日付。
数量。
契約条件。
固有名詞。
などは、変更箇所が小さくても意味が大きく変わることがあります。
Word 文書比較は確認を助ける機能であり、内容の正しさを保証する機能ではありません。
複数人の修正なら「結合」を使う
例えば「サンプル案内文.docx」を3人へ確認してもらったとします。
それぞれから別ファイルで修正版が返ってきました。
この場合、
Aさん版と比較。
次にBさん版と比較。
さらにCさん版と比較。
と何度も繰り返すと管理が複雑になります。
そこで「結合」を使います。
Microsoft公式では、
校閲 → 比較 → 結合
から、元文書と変更された文書を指定して統合できると案内しています。
追加の修正版がある場合は、最初に結合した文書へさらに次の修正版を統合する手順も案内されています。
ただし、結合したからといって全修正を採用する必要はありません。
最後は内容を確認し、
採用。
却下。
再修正。
を人が判断します。
PDFしかない場合は別の方法を考える
今回の方法はWord文書の比較です。
手元にあるのがPDFだけなら、同じ手順ではありません。
まず資料の中身を把握したい場合は、こちらの記事も参考になります。
AI PDF要約|長い資料の要点と重要ページをAIで探す方法
ただし、AIによるPDF要約も「正式な差分比較」の代わりではありません。
契約・規程・金額など重要な内容なら、元資料そのものを確認してください。
比較で見つけた修正を「やること」へつなげる
文書比較の結果、
追加修正が必要。
担当者へ確認が必要。
別資料も直す必要がある。
ということが見つかる場合があります。
そこで、変更箇所を確認しただけで終わらせず、次の作業へつなげます。
タスクの整理についてはこちらでご紹介しています。
AIタスク管理|やること・期限・優先順位をAIで整理する方法
比較結果。
↓
修正内容を決定。
↓
担当を決める。
↓
期限を設定。
という流れにすると、文書確認から実際の対応までつながります。
ファイルを受け取る仕組みも整理する
修正版がメール添付で何度も届き、
どれが最新なのか分からなくなることもあります。
そこで、ファイル保存の仕組み自体を整理する方法もあります。
Power Automate自動化|メール・Excel・保存をつなぐ仕事術
ただし、自動化する場合でも、
ファイル名。
保存場所。
元ファイル。
修正版。
を区別できる設計が必要です。
便利な自動化ほど、後から確認できる状態を作っておくことが大切ですね。
機密文書では社内ルールを優先する
Word 文書比較そのものはAIへ文章を入力する作業ではありません。
しかし、比較する文書に、
個人情報。
取引情報。
人事情報。
契約情報。
未公開情報。
などが含まれている場合は、ファイル自体の取り扱いに注意します。
特に、
個人アカウントへコピーする。
許可されていないクラウドへ移動する。
比較用として不要なコピーを残す。
といった運用は避けましょう。
会社で使用する場合は、組織の保存場所・共有・削除ルールを優先してください。
Word 文書比較が向いている人
特に便利なのは、
- 修正版が頻繁に届く
- 長いWord文書を確認する
- 元ファイルと最新版の違いが分からない
- 文章・書式変更をまとめて確認したい
- 校閲作業を効率化したい
という方です。
一方で、
画像中心の資料。
PDFしかない資料。
変更点ではなく内容の要約だけが欲しい資料。
では、別の方法が合う場合があります。
目的は「Wordの機能を使うこと」ではなく、何を確認したいかに合った方法を選ぶことです。
短い練習文で、変更箇所を確かめてみる
最初は次の架空の案内文を使いましょう。変更前と変更後を別々のWord文書に保存し、この記事の手順で比較します。すべて通常の文字で入力すれば、まず文章の追加・削除・変更に注目できます。
変更前:読書会案内_元.docx
読書会のご案内
開始時刻は14時です。
会場は第1会議室です。
持ち物は筆記用具です。
終了後に集合写真を撮ります。
変更後:読書会案内_修正版.docx
読書会のご案内
開始時刻は15時です。
会場は第2会議室です。
持ち物は筆記用具と紹介したい本です。
途中からの参加も歓迎します。
比較したら、ここを確認
| 確認する項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 開始時刻 | 14時 | 15時 |
| 会場 | 第1会議室 | 第2会議室 |
| 持ち物 | 筆記用具 | 筆記用具と紹介したい本 |
| 集合写真の案内 | 記載あり | 記載なし |
| 途中参加の案内 | 記載なし | 記載あり |
これは文章上の答え合わせです。Wordでの色・線・変更のまとまり方は表示設定などによって異なります。大切なのは、印の数を数えることよりも、時間・場所・持ち物といった意味の変化を読み取ることです。
次に、修正版の見出しだけを太字にして別名で保存すると、本文の変更に加えて書式の違いにも注目できます。まずはこの短い例で比較の流れをつかんでから、自分の文書で使ってみてください。
まとめ|目で探す前にWordへ差分を出してもらう
元ファイルと修正版を1ページずつ読み比べるのは大変です。
Word 文書比較を使えば、
元文書。
変更後文書。
を指定し、差分を新しい文書として確認できます。
そして、
2つを比較 → Word 文書比較
これからの変更を記録 → 変更履歴
複数人の修正版をまとめる → 結合
という違いを覚えておくと、目的に合った方法を選びやすくなります。
ただし、Wordが示すのは「違い」です。
その変更が正しいかどうかを決めるのは人。
ここは変わりません。
明日Wordを開いたら、まず架空の短い文書を2つ作って、一度「比較」を試してみてください。
「どこが変わった?」を目で探し続ける作業を減らす、小さな一歩になります。



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